黒部の秘境・下ノ廊下と紅葉を見に《後編》(2016.10)
(2020.5.9更新: https化に伴い、古いAmazonへのリンクを削除しました)
前編に続いて後編です。
2日目の朝、阿曽原温泉小屋のテン場から出発です。
水平歩道については、Wikipediaにて。
みなさん、あらかた撤収済み。
トイレに貼られた案内板には・・
欅平まであと11.6kmとあります。左上のウォー太郎も気にはなりますが…
阿曽原温泉小屋の遠景。
しばらくは、こんな感じの登山道を歩きます。
途中、急に長い階段(ハシゴ?)が。
スパッと切られたような山肌です。
折尾谷砂防堤の中を通ります。
志合谷のトンネル。150mほどあります。中は真っ暗でヘッドライト必須です。
中は素掘りになっています。
実は志合谷のあたりにあったダム建設のための宿舎が、泡雪崩(ホウナダレ)により3、4階の木造部分が600m先の峡谷の対岸まで吹き飛ばされ、84名の死者を出したという痛ましい事故が起きています。
ここは一番の核心部でしょうか。中国の奥地にでも来た気分です。
すでに高度感については麻痺しているので、意外と平気に歩けます(笑)
ここも平気で歩けましたが…
振り返るとなかなかの場所です。
水平歩道・大太鼓 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
またトンネルです。いかにも素掘り。
鉄塔の横を通ります。
すると欅平の橋が見えてきました。下に発電所施設も見えます。電車の発車ブザーなどの音も聞こえてきます。
最後は一気に下ります。
この近くに展望台があり、観光客も上がってくるようで、登山者以外立ち入り禁止の看板がありました。
さらに下って行くと、、
欅平駅の横へ出てきました。
宇奈月までの切符を買います。寒いとの噂でしたが、窓なしのトロッコに乗ります。
軌間762mmの特殊狭軌のため、電気機関車も小柄です。
ヘッドマークは台湾の阿里山森林鉄路との姉妹提携のものになっています。
重連です。
トロッコは1両貸切状態でした。
黒部峡谷鉄道が冬季運休の間は、関電職員はこの冬季歩道を通って欅平まで向かうようです。その先の上部区間はトンネル内のため通年運行のようです。
宇奈月温泉駅の下ノ廊下の状況は9/23現在のままとなっておりました。。
2、3回頭を打ちましたが、ヘルメットに助けられました(笑)
IT系のステッカーが多めです。
終点・宇奈月駅で降りまして、、
日帰り温泉に立ち寄り。
新しい施設のようでした。オシャレな温泉。
湯めどころ宇奈月
富山地方鉄道に乗り換え。駅前の噴水は温泉です!
実際に降りるのは新黒部駅です。
新黒部から北陸新幹線の黒部宇奈月温泉駅に乗り換え、東京へ戻りました。
正直なところ、大きな景色の変化が少ないルートではありますが、それでも黒部峡谷のスケールの大きさ、そこにダムを建設するために命を捧げた当時の工事関係者、今もこのルートを維持している方々の苦労を感じながら、紅葉を満喫した2日間となりました。
エスケープルートもなく、滑落事故などがよく発生しているルートですので、くれぐれも自らの体力を把握し、またルートの通行状況を調べるなど、十分な準備の上で自己責任で挑んでください。
《今回の撮影機材》
・GoPro HERO Session